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UMCの好決算は値上げに起因?台湾2大ファウンドリの財務諸表を比較《台積電(TSMC)・聯電(UMC)》

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台湾のファウンドリ企業、UMCの2020年第4四半期決算発表が先週あったのですが、たいかぶくんはチェックしました?

見ましたよ。

 

利益率がかなり上がっていたという印象でしたね。

確かにそうですね。製造ラインはフル稼働。更に半導体特需による値上げもあり、良い決算だったのではないかと思います。

今回は世界を代表する台湾のファウンドリ、TSMCとUMCの財務諸表を比較して、ぶっちゃけUMCの業績ってどうなの?というのをやってみたいと思います。

 

更新履歴

  • 2021年7月24日:タグ更新

 

 

台湾の2大ファウンドリ

まずは、台湾の2大ファウンドリである台積電(TSMC)と聯電(UMC)の時価総額、売上高と世界市場シェアを簡単に見ておきましょう。

  TSMC UMC
銘柄コード 2330 2303
時価総額 15兆TWD
(約60兆円)
6,200億TWD
(約2.3兆円)
売上高
(2020年)
1兆3,393億TWD
(約5兆円)
1,768億TWD
(約6,600億円)
市場シェア
(2020Q4)
55.6% 6.9%

皆さんに各社の規模感を直感的にイメージしていただくために、括弧内に日本円換算値を記載しました。1TWD=3.71JPYで計算しています。

 

ちなみに両会社ともADRによる取引が可能です。ティッカーシンボルは

  • TSMC:$TSM
  • UMC:$UMC

です。

 

以下、関連記事です。

yu-money.hatenablog.com

半導体ファウンドリ世界市場シェア

次に最新の半導体ファウンドリの世界市場シェアを見ておきましょう。2020年第4四半期の売上高ランキングとマーケットシェアです。

― TrendForce より

 

TSMCの市場シェアが55.6%となっており、第2位にSamsung、3位UMC、4位GlobalFoundriesと続きます。

 

ではここからTSMCとUMCの財務諸表を比べていきます。

 

比較①:2020年第4四半期決算

両社の売上高と利益の絶対値を比較してもしょうがないので、同年前期比及び前年(2019年)に対する増減を比較したいと思います。

TSMC
  前期比 前年比
売上高 +1.4% +25.2%
営業利益 +4.7% +52.1%
純利益 +4.0% +50.0%
UMC
  前期比 前年比
売上高 +0.9% +19.3%
営業利益 -21.3% +369.3%
純利益 +20.3% +343.5%

 

半導体特需により半導体製造ラインはフル稼働と聞いていたので、大幅な増収増益ですね。

利益が特に大きく増加しているところを見る限り、委託製造料金の値上げによるものだと考えられますよね。

UMCの2020年前年比利益率えぐいな。

 

比較②:損益計算書

以下、TSMCとUMCの過去3年分の損益計算書になります。

TSMC

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単位:億TWD(1TWD≒3.71JPY)

UMC

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単位:億TWD(1TWD≒3.71JPY)

【グラフの見方】
各社各年度の売上高()を100%として、売上原価()・研究開発費()・販売費及び一般管理費()・営業利益()が売上高に占める割合を表しています。又、各項目の数値はその項目の収入(もしくは費用)の絶対値です。

つまり、TSMCの2020年は
売上高:13,393億TWD
売上原価:6,281億TWD
研究開発費:1,095億TWD
販売費及び一般管理費:356億TWD
営業利益:5,668億TWD
と読めて、更に各項目が売上高に占める割合として
売上原価は売上高の46.9%を占めていて
研究開発費:8.2%
販売費及び一般管理費:2.6%
営業利益:42.3%(= 営業利益率)
ということですね。

粗利・営業利益率

上記の損益計算書より、過去3年分の粗利・営業利益率はざっくりと以下のようになっていると言えますね。

  • 粗利益率():TSMC(50%前後)、UMC(15%前後)
  • 営業利益率():TSMC(40%前後)、UMC(3%前後)

UMCの例年の粗利益率を約15%、営業利益率を約3%としましたが、2020年は利益率が大きく上がり、粗利益率は22%、営業利益率は12.5%です。

 

ここまで利益率に差があると、TSMCの利益率が異常に高いのか、UMCの利益率が低いのかどっちなのかわからないです。

 

TSMCの利益率えぐいな。

 

研究開発費

  • TSMC:1,095億TWD(日本円で約4,000億円)
  • UMC:129億TWD(日本円で約500億円)

 

  • 売上高に対するR&D費用の割合は共に8%前後

 

比較③:企業の成長性

売上高推移(1998 ~ 2020年)

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【グラフの見方】
各社の1998年の売上高を1として、各年度の売上高が基準点(1998年の売上高)に対して何倍になっているかを表します。

 

1998年~2020年の22年間で

  • TSMCの売上高は約25倍へ成長
  • UMCの売上高は約10倍へ成長

粗利益率・営業利益率推移(1998 ~ 2020年)

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  • TSMCの粗利益率、営業利益率は共に30 ~ 50%のレンジで推移
  • UMCの粗利益率、営業利益率は共に0 ~ 20%のレンジで推移

EPS推移(1998 ~ 2020年)

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売上高、粗利益率・営業利益率、EPSの過去22年間の推移を比較しましたが、改めてTSMCの成長率はすごいですね。

 

売上高推移を見ると、2007年辺りまでは両企業共に似たような増収率になっています。リーマンショック後に差をつけられてますね。

 

UMCにスポット当てていくつもりが、結局TSMCの成長具合えぐい。という内容になってる、、、、

 

まとめ

  • 台湾を代表する半導体製造ファウンドリ、TSMCとUMCの財務諸表を比較しました。
  • TSMCは利益率が高く、粗利益率がおおよそ50%前後、営業利益率が40%前後を推移
  • 対してUMCは、粗利益率が15%前後、営業利益率3%前後を推移
  • 企業の成長度合いとして売上高を見ると、
  • TSMCは1998年→2020年で売上高が約25倍へ成長
  • UMCは1998年→2020年で売上高が約10倍へ成長

 

では、この辺で。

拜拜~