ちょっとタイトルに釣り要素がある気がするんですけど、、、、
どこがや?H、A、Bとくれば…紛れもなく中国・香港株のことやろ
いやまあそうなんですけど、、、、
今回は台湾の証券取引所に上場している中国株ETFの紹介をします。中国市場の指数についてもまとめているので台湾の証券取引所で取引をしていない方にも為になる内容となっています。
更新履歴
- 2022年4月23日:サムネイル更新
- 2021年7月24日:タグ更新
台湾の証券取引所に上場している中国株ETF一覧
台湾の証券取引所で取引をしていない方はこの章はすっ飛ばして、次章の中国株ETF紹介から読んでいただければと思います。
ETF名 | 証券 コード |
ターゲット指数 | 管理費 +保管費 |
ファンド規模 (億TWD) |
---|---|---|---|---|
元大上證50 | 006206 | 上証50指数 SSE 50 Index |
0.60 ~ 1.09% |
20.10 |
富邦上証 | 006205 | 上証180指数 SSE 180 Index |
1.09% | 55.15 |
富邦深100 | 00639 | 深証100指数 SZSE 100 Index |
1.09% | 18.64 |
群益深証中小 | 00643 | 深証中小板指数 SME Index |
1.08% | 18.79 |
元大寶滬深 | 0061 | 滬深300指数 CSI 300 Index |
0.40% | 37.27 |
FH滬深 | 006207 | 滬深300指数 CSI 300 Index |
0.85% | 15.13 |
富邦中証500 | 00783 | CSI 500中小型株指数 CSI 500 Index |
1.09% | 3.60 |
国泰中国A50 | 00636 |
富時中国A50指数 |
0.75 ~ 1.05% |
35.02 |
国泰中国A150 | 00743 | 富時中国A150指数 FTSE China A150 Index |
1.00% | 1.26 |
台新MSCI中国 | 00703 | MSCI中国指数 MSCI China Index |
1.10% | 4.98 |
元大MSCI A股 | 00739 | MSCI中国ストック・コネ クトA株指数 MSCI China A Inclusion Index |
0.60 ~ 0.80% |
13.40 |
中信中国50 | 00752 |
MSCI中国外資自由投資 |
1.17% | 25.65 |
レバレッジETFは除く
- 上海市場ETF:元大上證50(006206)、富邦上証(006205)
- 深圳市場ETF:富邦深100(00639)、群益深証中小(00643)
- 上海+深圳市場ETF:元大寶滬深(0061)、FH滬深(006207)、富邦中証500(00783)、国泰中国A50(00636)、国泰中国A150(00743)
- 中国全土ETF:台新MSCI中国(00703)、元大MSCI A股(00739)、中信中国50(00752)
- バイドゥ、アリババ、テンセントを含むETF:台新MSCI中国(00703)、中信中国50(00752)
では今から各ETFのターゲットとなる指数の紹介をしていきます。
これから載せるデータ(構成銘柄、セクター構成等)は全て2020年12月末運用レポートを参照先としています。
上海市場
上証50指数(SSE 50 Index)
上海総合指数は上海証券取引所に上場する全ての株(A・B株)で構成される指数ですが、「上証50指数」は、同証券取引所の流動性の高いA株上位50銘柄で構成する指数です。
次に上証50指数の構成銘柄トップ10とセクター構成を紹介します。
構成銘柄トップ10
セクター構成
セクター構成を見ると、金融セクターが約4割を占めています。上海は中国において金融街として位置付けをされていることは既知かと思います。構成銘柄トップ10を見ると、中國平安、招商銀行、興業銀行、中信證券の4社がランクインしています。
次にウェイトが大きいセクターは生活必需品で、構成銘柄トップ10にランクインしているのは、貴州茅臺、中國中免の2社です。
上証180指数(SSE 180 Index)
同証券取引所の流動性の高いA株上位180銘柄で構成する指数です。
本指数の構成銘柄トップ10とセクター構成を紹介します。
構成銘柄
セクター構成
構成数を180銘柄としている本指数は、上証50指数と比較して資本財セクターの割合が増えていることが特徴的です。
深圳市場
深証100指数(SZSE 100 Index)
深圳証券取引所に上場するA株のうち、流動性の高い上位100銘柄で構成する指数です。
本指数の構成銘柄トップ10、セクター構成及び市場構成を紹介します。
構成銘柄
セクター構成
市場構成
本指数に採用されている銘柄の上場先市場の構成を見ると、チャイネクスト市場の占有率が他の2市場(メインボード、中小板)に比べて少し低いですが、ざっくり均等に占有していると考えて良いかと思います。
次にセクター構成を見ると、情報技術、生活必需品、一般消費財、ヘルスケア、資本財セクターの割合が多く(ウェイトの大きい順)、これら5セクターで全体の8割を占めています。構成銘柄トップ10の企業でこれらセクターに属してる企業は
- 情報技術:立訊精密(Luxshare-ICT)、海康威視(Hikvision)
- 生活必需品:五糧液(Wuliangye)、瀘州老窖(Luzhou Lao Jiao)
- 一般消費財:美的集團(Midea Group)、格力電器(Gree)
- ヘルスケア:邁瑞醫療(Mindray)
- 資本財:寧德時代(CATL)
になります。
深証中小板指数(SME Index)
深圳証券取引所の中小企業ボードに上場するA株のうち、流動性の高い上位100銘柄で構成し、中国の中小型成長株を代表する指数です。
本指数の構成銘柄トップ10、セクター構成及び市場構成を紹介します。
構成銘柄
セクター構成
市場構成
情報技術セクターが約4割を占めていて、トップ10企業では立訊精密(Luxshare-ICT)、海康威視(Hikvision)、歌爾聲學(Goertek)が該当します。
深圳証券取引所に上場するA株の上位100銘柄で構成する深証100指数よりニューエコノミー色の強い指数になっています。
上海+深圳市場
滬深300指数(CSI 300 Index)
上海証券取引所と深圳証券取引所で取引されているA株の上位300銘柄で構成する指数です。
滬深300指数の構成銘柄トップ10、セクター構成及び市場構成を紹介します。
構成銘柄
セクター構成
市場構成
市場構成を見ると、上海市場銘柄が全体の6割を占めていることがわかります。セクター構成から見ても、金融セクターが一番大きいです。
- 上海の金融
- 深圳の生活必需品、ヘルスケア、情報技術、資本財、一般消費財
各々の市場の特徴が混ざり合っていますよね。
CSI 500中小型株指数(CSI 500 Index)
両証券取引所で取引されているA株の上位300銘柄を除く、上位500銘柄で構成する指数です。
次にCSI 500中小型株指数の構成銘柄トップ10、セクター構成及び市場構成を紹介します。
構成銘柄
セクター構成
市場構成
上位300銘柄を除く上位500銘柄で構成する本指数は先ほどのCSI 300指数と特徴が多く変わりました。
CSI 300指数の市場構成とは対照的に、CSI 500中小型株指数の市場構成は深圳市場銘柄が半分以上を占めていることがわかります。セクター構成を見ると、金融セクターの割合が相対的に小さくなっており、資本財、素材セクターの割合がかなり大きくなっています。深圳市場は中小銘柄がかなり多いということですね。
富時中国A50指数(FTSE China A50 Index)
FTSE社が算出する上海証券取引所及び深圳証券取引所に上場するA株の主要50銘柄で構成する指数です。
次にFTSE中国A50指数の構成銘柄トップ5とセクター構成を紹介します。
構成銘柄
セクター構成
FTSE社が運用する指数はICB(Industry Classification Benchmark、業種分類ベンチマーク)に基づいています。後述する「富時中国A150指数(FTSE China A150 Index)」も同様です。
セクター構成を見ると、金融、消費財セクターの割合がかなり大きく、この2セクターで全体の約8割を占めています。
前述したCSI 300指数と比べて金融セクターの比重が大きいことから、両市場の上場企業を上から並べていくと、金融関連企業が上位勢を占めているということです。近年のイケイケテック系企業(アリババ、テンセント等)を除いた場合の中国市場は依然として金融セクター色が濃いということですね。
無論これまで紹介した指数にはアリババ等の巨大テック企業は採用されていません。
富時中国A150指数(FTSE China A150 Index)
A株の上位50銘柄を除いた上位第51位から第200位の銘柄で構成する指数です。こちらもFTSE Russellにより算出されています。
次にFTSE中国A150指数の構成銘柄トップ10とセクター構成を紹介します。
構成銘柄
セクター構成
CSI 300指数とCSI 500中小型株指数の比較時同様の傾向が見られます。金融、消費財セクターの割合が相対的に小さくなり、対照的に資本財、テクノロジーセクターの割合が大きく成長しています。
中国全土
MSCI中国指数(MSCI China Index)
MSCI社が算出する指数で、香港証券取引所上場の中国株(H株、レッドチップ及びP株)、上海証券取引所、深圳証券取引所上場の中国A/B株、及び中国ADRで構成されています。
構成銘柄
セクター構成
ついにイケイケテック企業たちが現れましたね( ・∇・)
- アリババ、テンセントの割合がそれぞれ14%、13%
- 将来期待のJD.com、PINDUODUOもトップ10にランクイン
- NIOも採用
金融、生活必需品、一般消費財セクターの割合はかなり小さくなり、通信サービスと一般消費財セクターが大部分を占有するようになりました。
MSCI中国ストック・コネクトA株指数(MSCI China A Inclusion Index)
MSCIエマージング・マーケット・インデックス(MSCI Emerging Markets Index)の中国A株から選定した指数です。こちらもMSCI社により算出されています。
構成銘柄
セクター構成
CSI 500中小型株指数のセクター構成と近い比重ですね。
MSCI中国外資自由投資50指数(A・B株を除く)(MSCI China Free 50 ex A&B Shares Index)
米国市場に上場する中国ADRと香港市場に上場するH株から構成される指数です。
構成銘柄
先ほどのMSCI中国指数と比べて、トップ10企業のみで指数全体の約7割を占めるようになりました。構成数が少ないのが要因で、アリババ、テンセントの割合はそれぞれ約20%へ拡大しています。
まあ、今を時めくイケイケ中国企業へ効率よく投資できるわな。
各指数のまとめ
各指数の上位銘柄比較
指数名 | 構成銘柄トップ3 |
---|---|
上証50指数 SSE 50 Index |
貴州茅臺(13%)、中國平安(12%)、招商銀行(8%) |
上証180指数 SSE 180 Index |
貴州茅臺(8%)、中國平安(8%)、招商銀行(5%) |
深証100指数 SZSE 100 Index |
五糧液(7%)、美的集團(6%)、寧德時代(5%) |
深証中小板指数 SME Index |
立訊精密(7%)、海康威視(5%)、比亞迪(5%) |
滬深300指数 CSI 300 Index |
貴州茅臺(5%)、中國平安(5%)、五糧液(3%) |
CSI 500中小型株指数 CSI 500 Index |
陽光電源(1%)、華測檢測(1%)、華魯恒升(1%) |
富時中国A50指数 FTSE China A50 Index |
貴州茅臺(3%)、中國平安(2%)、招商銀行(2%) |
富時中国A150指数 FTSE China A150 Index |
三一重工(3%)、京東方A(2%)、 長春高新(2%) |
MSCI中国指数 MSCI China Index |
阿里巴巴(14%)、騰訊(14%)、美團點評(4%) |
MSCI中国ストック・コネクトA株指数 MSCI China A Inclusion Index |
貴州茅臺(6%)、五糧液(3%)、中國平安(2%) |
MSCI中国外資自由投資50指数 |
阿里巴巴(20%)、テンセント(20%)、美團點評(5%) |
各指数のセクター構成比較
次にこれまで紹介した指数のセクター構成比較を一つにまとめたグラフを載せます。こちらの図で各指数の構成セクターの特徴が視覚的・直感的に分かるかと思います。
- 上海市場(上証50指数、上証180指数):金融
- 深圳市場(深証100指数):情報技術、生活必需品、一般消費財、ヘルスケア、資本財が満遍なく大
- 深圳市場(深証中小板指数):情報技術
- 上海+深圳市場(CSI 300指数):上海・深圳のミックスだが上海色強い=金融大
- 上海+深圳市場(CSI 500中小型株指数):上海・深圳のミックスだが金融小。深圳中小株の存在大
- 中国全土(MSCI中国指数):一般消費財
- 中国全土(MSCI中国ストック・コネクトA株指数):深圳中小(CSI 500中小型株指数)に近い比重
まとめ
- 台湾の証券取引所に上場している中国株ETFを紹介
- これらETFのターゲットとなる中国株指数を紹介
- 金融セクター色の強い上海市場ETFを買うなら、元大上證50(006206)、富邦上証(006205)
- 中国国内のニューエコノミーに投資するなら、富邦深100(00639)、群益深証中小(00643)
- 中国国内A株全体に分散したいのであれば、元大寶滬深(0061)、FH滬深(006207)、富邦中証500(00783)、国泰中国A50(00636)、国泰中国A150(00743)
- ADR、及び香港市場に上場する中国企業を含むETFを買いたい場合は、台新MSCI中国(00703)、元大MSCI A股(00739)、中信中国50(00752)
- バイドゥ、アリババ、テンセントを含むETFを買うなら、台新MSCI中国(00703)、中信中国50(00752)
各々の指数に採用されている銘柄の紹介・分析については今回の記事では省略しました。
(記事がかなり長くなるので(笑))
追い追い紹介・分析していこうと思います。
今回の記事では、各市場(もしくは指数)の特徴を理解していただければ十分かと思います。
では、この辺で。
拜拜~